2012年08月23日

猫のしっぽ カエルの手  里の夏景色

雨の降った翌日に姿を現すおの霞。朝霧が山肌に靡く京都は夏。寒暖の差から生まれるこの霧は大原名物の赤紫蘇を美味しく育てる。川に涼を求め、蝉の声に包まれる。変わる事の無い山里の夏景色。

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ベニシアさんが暮らす築100年の古民家も朝の日射しに輝いている。イギリス人のベニシアさんは紅茶やハーブティーを好む。夫 正さんの為には薫り高い緑茶をいれる。写真家の夫は自宅の作業場で作業に集中している。「がんばってね」とお茶を差し入れる。

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キッチンに戻って茶ガラの後始末。もちろん捨てずに再利用。茶ガラを使った此の掃除の仕方は日本の友人から教えて貰った。茶ガラを生乾きの状態で畳みにまき、すぐに箒ではく。茶ガラは埃に吸着し、消臭効果もある。掃除が終わったら茶ガラは畑のコンポストへ運び、肥料となる。全てが繋がっているベニシアさんの暮らし。

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夏の花達は「どうぞ見て下さい」と今を盛りに咲き誇っている。

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本格的に暑くなる前に庭仕事も午前中に済ませてしまう。今日は雨水を溜めておくウィスキー樽を化粧直し。二年前に仕込んだ柿渋、搾り出した柿の汁を発酵させた物。防虫、防腐、防水効果がある。柿渋独特の匂いを漂わせながら樽は良い色に染まった。

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Venetia's Herb Note  ブルベリー

夏の空気は午後遅くなってもまだ暑く、庭のブルーベリーが熟れています。遥か昔、女性は木の実を摘み集め、男性は狩に出ていました。 男性には遠くが良く見える視力が備わっていたからと言われています。女性の目は近くにある物に良く気が付くので、今でも多くの女性が山菜や木の実採りを楽しんでいます。私も年を重ね視力が衰えて来ましたが、嬉しい事にブルーベルーは視力の回復に役立ちます。若さも保ってくれる上に様々なビタミンも豊富です。私は毎日早起きして瞑想し、その後庭を眺めながら自家製のブルーベリーソースをかけたヨーグルトを食べるのです。自分が幸せであってこそ他人も幸せに出来るのだと改めて思います。

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Venetia's Herb Recipe  ブルーベリースノー

材料(4人分)
ブルーベリー150g、生クリーム200ml、ヨーグルト150ml、粉砂糖 大さじ8、卵白 2個分、ミントの葉 2茎

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ブルーベリーを使って夏にぴったりのデザートを作ります。フランスではクレームダカンジと呼ばれているデザード、ベニシア流にアランジします。
クリームをホイップする。
ヨーグルトをゆっくり混ぜる、ふわっととろける食感がポイント、生クリームをつぶさない様にヨーグルトを混ぜる。

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砂糖を混ぜる

卵白をミキサーでかくはんしメレンゲを作る。メレンゲを生クリームに混ぜていく、此の時も慎重に。

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ブルーベリーの実を軽く混ぜ合わせ、ガラスの器に盛る。仕上げにミントの葉を添えれば出来上がり。

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夏のおもてなしにぴったり。

午後、友人がやって来た。ブライアン・ウィリアムズさん。日本の山里をモチーフに描く風景画家だ。大原で描きたい物があると下見にやって来た。お隣滋賀県に暮らすブライアンさんとベニシアさんは同じ年。自然を愛する二人の共通点は多い。移り変わる日本の四季に心惹かれて40年があっという間だった。大原で懐かしい物を見つけたブライアンさん。ベニシアさんを連れだした。ブライアンさんが大原で描きたかった風景は今では少なくなった茅葺屋根の家。家の主に挨拶に。此処で60年以上暮らす西山時子さんが迎えてくれた。茅葺屋根のある風景を描ける事になったブライアンさんは張り切っている。

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Venetia's Friennds  曲面絵画

ブライアンさんのアトリエ。メモの様なスケッチを見ながらベニア板を切断し、なにやらぎゅうぎゅうと曲げ始めた。ブライアンさんは額縁に囲まれた絵画の世界から飛び出て、オリジナルの技法で絵を描いているのだ。曲げたベニヤ板をキャンバスにして、立体感のある風景を描く局面絵画だ。輪郭が面を曲げる事で観る人に臨場感を感じて貰いたい。そんなブライアンさんの曲面絵画が生まれた裏には日本の山里との出会いがあった。

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屋久島の縄文杉

幼少期をペルーですごし、アメリカの大学で美術を専攻していたブライアンさん、写生旅行で世界各国を巡った際来日。その後日本の湖や棚田などの風景に惹かれ全国各地の風景を描く様になる。美しい風景の中に佇んでいる実感をもっと表現したいと5年前に曲面絵画をあみだした。昨年、清水寺でこれまでの作品を集め、展覧会を開いた。国内外から評価が集まった。

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滋賀県大津市、この自然豊かな地にブライアンさんは暮らしている。築160年の古民家住まい。30年前此の家が取り壊される寸前に買い取り、自分でリフォームした。

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自然の姿は定規では描けない、柔らかな線に満ちた風景を表現したい。ブライアンさんはその場の空気感を何よりも大切にする。だから下書きはせず、キャンパスに直接油絵具をのせて行く。そしてありのままの姿に拘らず、心にうまれた理想郷を描く。

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「私が生まれ育ったペルーは幼い頃には産業革命以前の自然と供に暮らしている様な原風景的な生活の営みがありました。日本に来て近代化されている地面ばかりですが部分的に原風景の欠片が残っています。この里山生活を大切にしたいです。」

「自然の建築材、木とか土とか石とか自然に近いもので供給されている建築材です、それが落ち着きますね。近代の建築物は定規で設計されていますが、古いたてものは自然の儘で人間に優しいですね。里山で生活を送ると穏やかな精神で日々が送れます」

私もその様に感じます。自然をなるべく取り込んだ生活を送れば、感じるストレスも少なくなるのではないでしょうか。


Venetia's Essay

太陽が傾き始め、午後の日射しが視界を黄金色に染めています。日の入りが近づいた大原の里の美しい景色に私はありがたい気持ちで一杯になります。何百年も前の産業革命を機に大勢の人が職を求めて都市部に移り、炭坑や工場などで働くようになりました。意識の高い画家たちは郷愁を誘う農家や古い素朴な建物のある美しい田舎の風景を描くようになりました。彼らは田舎の風景や昔ながらの暮らしが急速に消えていることを人々に気付かせようとしたのです。最近、昔と変わらない風景の中で暮らすべきだと考える人が増えています。森や畑の緑が心を癒してくれるからです。質素な古民家が今またスローペースで健康な暮らしの象徴となりつつあるのです。
あなたの思いがある場所にあなたの宝物がある  パウロ・コエーリョ(ブラジルの作家)


夕暮れ、昼間暑かった大原も日が落ちるととたんに涼しくなる。庭にキャンドルを灯したナイトガーデン。夏の夜のお楽しみだ。ロウソクの光の中娘のジュリさん、孫のジョー君と一緒に花火。夏の夜の匂いがベニシアさんを包んだ。

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              猫のしっぽ カエルの手  引用















crystaltakara at 14:52│Comments(0)TrackBack(0)

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