2011年05月29日

世界・夢列車に乗って「湖水地方・ピーターラビットの故郷を往く」

今回の番組はかってイギリスで一世を風靡したベル号を今に蘇らせた北の麗人・ノーザン・ベルに乗車してピーターラビットの故郷、湖水地方を訪れる旅が紹介されています。

以前DVD「Miss Potter」を観た事がありますが、そこに映し出された湖水地方の美しい景色。そしてピーターラビットの可愛らしい映像を目にして、湖水地方にとても憧れを持っています。此のDVDはピーターラビットの著者であるビアトリクス・ポターの生涯を描いています。ピーターラビットの出版の手助けをしてくれた男性と恋に落ち、結婚の約束までしますが残念ながら男性は亡くなってしまいます。深い悲しみに落ちたポターはロンドンより湖水地方に居を移し、ピーターラビットの執筆に励みます。やがて湖水地方の自然を守る為の活動をする様になるまでが描かれています。
ポター

ロンドンから北に300キロ、ノーザン・ベルの出発地ヨークがある。人口は18万人たらずの此の小さな街の中心にヨーロッパで最大のヨーク・ミンスターがあります。聳えている、ヨーク・ミンスターはかってイングランド主教の主座が置かれていた所です。現代でもカンタベリー大聖堂に次いでイギリスで第二の格式を誇っています。13世紀初め、おそよ250年の歳月をかけて1472年に完成したヨーク・ミンスターはイングランド北部を代表する協会です。

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ヨークは城壁に囲まれた町で、この地はかってローマ帝国の支配を受け、次はバイキングに依って占領されました。その攻防を物語る様に城壁がヨーク・ミンスターを中心におよそ4.5キロに渡り築かれています。城壁の上には遊歩道が作られ、町を一周する事が出来ます。城壁の所々に城門があり、中世の佇まいを残しています。

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城壁の中では馬車が観光客を乗せて運んでいます。街角では大道芸人が道行く人の目を楽しませています。

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ヨーク駅、ここからノーザン・ベルが出発します。ヨーク駅はイギリスを縦断する東海岸の重要駅の一つです。ノーザン・ベルが入線して来ました。オリエント急行の全盛の1930年代、イギリス各地でその優雅な走りを見せていたベル号がノーザン・ベルとして蘇りました。

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車内の入口にエントランスマットを曳いてお客様をお迎えします、素敵な習慣ですね。

乗客達が車内に乗り込みます。待ちかねた様に熱い紅茶とコーヒーのサービスです。定刻通り列車はゆっくりホームを滑り出しました。ノーザン・ベルはイギリスを横断して湖水地方の玄関口のオクセントルムに向かいます、往復およそ8時間の旅です。

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記念日を此のノーザン・ベルで過ごす乗客は沢山います。乗務員達はそんな乗客の心を察しながら最高のお持て成しを提供します。やがて車内は笑いに包まれ、列車はさらに速度を上げます。

車窓には田園風景が流れて行きます。ノーザン・ベルの優雅な小旅行です。様式美を追及した車内、鉄道が動く社交場として煌びやかな時代を築いた証しが此処にあります。

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当時、時代の最先端をいくモダンで知的なステータスとしてその人気を一身に集めた豪華列車、それを今に伝えているのがノーザン・ベルです。職人が手間を掛けて完成させた寄木細工の壁飾り。トイレにも細やかな細工が施されています。

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車内の美しさは素晴らしいですね。

黄金色に輝く麦畑、ひっそりとたたずむレンガ積みの小屋、そんな牧歌的な風景の中にノーザン・ベルが溶け込みます。

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出発地ヨークには世界最大の鉄道博物館があります、国立鉄道博物館。開館は1975年、ヨーク駅の裏手に建てられ、100両を越える機関車、およそ200両の客車、貨車、その他に数十万もの鉄道アイテムが収蔵、保管されています。

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ロケット号はロバート・スチーブンソンが設計した記念すべき蒸気機関車です。1830年リバプールとマンチェスター間において初めて旅客を運びました、速度は46.4キロだったそうです。

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マラード号は蒸気機関車の世界最大速度に記録を持ちます。当時、イギリスとドイツは風洞実験をもとに空気抵抗を減らしたマラード号を完成させ、時速203キロという記録を達成しました。

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この博物館で最も人気を集めているもう一つに日本のO系新幹線があげられます。革新的な技術によって鉄道の新しい歴史を作ったとして高い評価を得ています。

ヨークを出たノーザン・ベルはイングランドの背骨と呼ばれるベライン山脈を横断します。車内が突然暗くなり、列車はトンネルに飲み込まれます。一転して車内は暖かな照明に包まれ、一味違った雰囲気になります
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トンネルを抜け車内が明るさを取り戻すと遅い朝食が用意されます。

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フレッシュフルーツカクテル

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クランペットとスクランブルエッグ スモークサーモン包み

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厳選された食材を使い、シェフが腕によりを掛けて作った自慢の料理です。

流れゆく車窓の景色が食事をより一層美味くしてくれます。

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桃のピューレにワインを加えて作ったカクテルが人気です。ほろ酔い気分で会話も弾みます。私もいただいてみたいわ。

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ベライン山脈を越えるとなだらかな丘陵地が開けてきました、イングランドでよく見かける風景です。

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この列車にはおみやげコーナーがあります。ショーケースには高価な貴金属も並んでいます。一番人気はクマのぬいぐるみ。此のクナのぬいぐるみは是非にお土産にしたいですね。

列車は速度を落とし、そろそろ到着地点です。ヨークを出ておよそ4時間、列車は湖水地方の入口のオクセンホルム駅に到着しました。

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湖水地方は大小の湖とそれを囲む様に山々が連なる所です。湖のほとりは古い農家とひつじの放牧地がのどかに広がります。乗客は昔ながらの懐かしい風景を求めてここに来ました。ノーザン・ベルを楽しんだ乗客はこの後もう一つの楽しみである湖水地方散策に出掛けます。

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湖水地方はイングランド北西部に位置し東西およそ50キロ、南北およそ60キロに広がる地域です。イギリスでも有数の景観地として知られる湖水地方は16の湖と500もの池が点在しています。此の地方が有名になったのは19世紀後半からです。詩ワーズ・ワースが此の地に住み、自然と向き合う事の大切さを詠いました産業革命以来なりふり構わぬ発展を続けて来たイギリスは心の何処かでイギリス本来の姿に憧れを抱いたのかも知れません。人々はのどの渇きを癒す様に此の地を訪れました。湖畔では木漏れ日の中のんびりと過ごし、川の流れにい耳をすませます。山々から浸み出た水がやがて清流となり湖へと注がれます、この変わらぬ摂理が面々と続けられて来ました。豊な森も湖水地方の魅力です。そこではフットスパと呼ばれるハイキングコースが整備され、早朝から楽しむ人も多くいます。

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森を抜けると緑の斜面に羊が遊んでいます。羊はかってイギリス産業を支えた重要な家畜でした。羊が遊ぶ斜面を登り切ると小高い頂上に辿り着きます。イギリス最大の湖、ウィンダミア湖が一望出来ます。南北17キロのに伸びた細長い氷河湖です。

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湖水地方は行く度か開発の嵐にさらされ、その都度人々の粘り強い努力に依って守られました。民間の保護団体ナションル・トラストによってこの地の主要な所は厳しく管理され、保護され、未来の遺産として残されています。
麦畑が広がるなだらかな丘陵地、ここも湖水地方の風景です。そしてこの牧歌的な風景の中からピーター・ラビットが誕生しました。全世界で1億5千万部の発行部数を持つ、ピーター・ラビット シリーズの作者は女流作家ビアトリクス・ポター。ピーター・ラビットには彼女の恋心が隠されています。ビアトリクスはピーター・ラビットの出版を担当した男性と恋に落ち、二人は結婚を約束し、彼女が湖水地方の旅行から帰ったら結婚すると決めていました。ところが彼は突然の病気であっけなく此の世を去ってしまったのです。彼女の落胆は激しく、ビアトリクスはウィンダム湖の畔のヒル・トップから出ようとしませんでした。深い悲しみが彼女を襲いました。悲しみは消えませんでしたが、それでもこの湖水地方の優しい自然が彼女の心を癒しました。そして彼女をまたピーター・ラビットを描く決心をしました。彼女にしてみれば二人で過ごした過去への手紙だったのかもしれません。

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現在ヒル・トップはナショナル・トラストに寄付され手厚く保護されています。ウインダミア湖を挟んでヒル・トップの対岸の町は観光客で賑わっています。気晴らしにビアトリクスも足を運んだ事でしょう。

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湖岸では観光客が遊覧船を待っている。遊覧船は幾つものコースに分かれて、頻繁に行き来しています。穏やかな湖面を船は静かに進みます。ノーザン・ベルの乗客、ヒル夫妻、ご主人の誕生祝いにノーザン・ベルに乗車したそうです。でも二人供列車の乗る事を知ったのは僅か数日前です、まさか二人でノーザン・ベルに乗りこうして湖水地方までくるとは夢にも思ってなかったそうです。娘さんからの誕生日プレゼンド、ノーザン・ベルの招待状です。

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ウインダミア湖を望む静かな湖畔にあるウォーターヘッド・ホテル、石積みの伝統的な外壁が特徴です。ロビーは4っ星ホテルとは思えない程家族的です。正にタウン・ハウス、一つの家を彷彿させる作りです。バーとレストランは湖の景色を楽しめる様に設計されています。地元の食材にこだわった料理が人気です。選りすぐりの食材を集めたスペシャルメニュー。スモークドサーモン、ハンブリア・ソーセジ、ヤギのチーズが美しく盛り合わせてあり、さらにラムのロースト、ラズベリーとキャラメルのデザートが出されます。部屋にはゆったりとしたベッドが用意され、落ち着いた色合いで統一されています。タウン・ハウスのエレゲントさを保ちながら、モダンさに果敢に挑戦したホテルです。

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オクセンホルム駅、湖水地方を楽しんだ乗客が戻って来ました。そろそろヨークに戻る時間です、乗客がノーザン・ベルに乗り込み列車はホームを離れ湖水地方を後にしました。ヨークまでおよそ4時間、ノーザン・ベルの旅のクライマックスが始まります。車内では早々に食事が運ばれます。

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ハードウック・マトンとラムのロースト

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カンブリア産ハムとフォアグラのパテ リードとセロリ・レムラード添え

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チーズアラカルト

列車は丘陵地帯を南に向かって進み、やがて大きく左に進路を変え、ベラリン山脈へ分け入って行きます。車内にはデザートが運ばれて来ました。ワインの力も手伝ってか皆、上機嫌です。乗務員ともうちとけて話が弾みます。列車はイギリスを横断し一路ヨークへと進みます。

ヒル夫妻、今日一日、娘さんから渡されたチケットを何度見たことでしょうか、此のチケットが二人の宝物になりました。笑みがこぼれる。素敵なプレゼントですね。

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二人を乗せたノーザン・ベルが快走します。

やがて車窓に夕日が現れ、旅の終わりを乗客の伝えます。赤く照らされたホームにノーザン・ベルが向かい入れられ、そして旅は終わります。

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美しい夕焼け。楽しかった旅の終わりに相応しいですね。

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素晴らしいおもてなしのノーザン・ベルに乗車し、自然に恵まれた湖水地方を旅する素晴らしさ。皆さん笑みがこぼれ落ちるのが頷けますね。正に夢旅行ですね。


                    世界・夢列車に乗って  引用
































crystaltakara at 17:22│Comments(0)TrackBack(0)

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