2011年02月26日

欧州鉄道の旅・特別編 (4)

オリエント急行はインスブルックを後にします。インスブルック中央駅を出発したオリエント急行はいよいよブレンナー峠を目指します。かなたに見えていた山々が近くまで迫って来ました。3000メートル級のオーストリアアルプスです。二重連の機関車は心地よいエンジン音を響かせて17両編成の車列は右に左にカーブをきりながら登っていきます。インスブルックからおよそ30キロ地点、オリエント急行が美しく見えるというオメガループに差し掛かります。180°ターンする急カーブの形がギリシャ文字のオメガ(Ω)に似ているところからこう名付けられいます。車窓からは絶対に見る事の出来ない景色をもう少しでご覧れましょう。オリエント急行がいよいよオメガループに入って来ました。二重連の機関車に牽引されて急な登り勾配をゆっくり、ゆっくり登って行きます。小さな家や教会のある村の中を抜けてオメガの頂点を目指して進んでいきます。オリエント急行が最も美しい走りを見せるオメガループです。列車はさらにブレンナー峠を目指して登って行きます。

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オメガループを登り切るとすぐにプレンナー駅に到着します。此の駅はオーストリアとイタリアの国境にあります、ついにオリエント急行は最後のイタリアに入ります。駅名は上のブレンネルがイタリア語で下のブレンナーがドイツ語です。一つのプレートに二カ国語で表記されている世界で珍しい駅なのです。

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変わって登場して来たのはイタリア国鉄の機関車です。オーストリアからイタリアへ入国する為のパスポートチェックを経てプレンネルの駅をスターとします。いよいよ終着駅のヴェネツィアの駅を目指して走ります。旅人は美しい景色を見ながら思い思いの時間を過ごします。

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ランチの準備が始まり、厨房では12名のシェフが腕を振います。メニューは3ヶ月毎に変えられます。

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ズッキーニの花詰め物3種 フォアグラ 小海老 ワイルド・マッシュルーム 白トリッフオイルのヴィネグレット・ソース

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カレイのロースト バーベナ風味 アーモンドのビスケットとサンドライトマト

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レッドベリーのスポンジケーキ

レストラン・カーを選んで予約出来るのはとても楽しい事です。さらに列車の通過時間を調べてどの景色の時に合わせて食事をとるのか選択種にいれておくといいかもしれません、シェフが腕をふるった料理をさらに美味しくいただけるはずです。

レストラン・カーで食事をとっている間に列車はイタリアの地を南に向かって走っています。ここれチーフ・ウエィターのジュゼッペさんにサービスの哲学を聞いてみました。

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「オリエント急行に乗るのを夢見て何処の国からいらしたとしても全てのお客様に差はありません。私どものサービスで素敵な車中の時間を過ごせるのが最も価値のある事なのです。電車を降りてホームでお別れする時、お客様の笑顔を見るのが一番幸せな瞬間です」

窓の外には規則正しく植えられた一面のフドウ畑が広がっています。どこまで行ってもブドウ畑。さすがワィン王国イタリアです。この辺りは上質なワインを産出するアラ。此の村ではキノと言うブドウから白ワイン、マルザミーノと言うブドウから赤ワインを生産しています。

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そして午後3時、オリエント急行最後のアフタヌーンティーのサービスが始まります。ご夫妻はティーで乾杯。この二日間の素晴らしい一生の思い出に乾杯する気持ち、良く分かります。

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ロンドンを出発してから28時間あまりが経ちました。終着駅のヴェネツィアまであますところ2時間ちょった。ここはレストラン・カーに併設されたブティックです。このブティックにはオリエント急行の中でしか買う事の出来ないオリジナルな商品が置かれています。

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「一番人気なのが三匹の小熊です。運転手、料理長、キャビン・スチュワートの衣装を着て可愛いですよ。」

それでは終着駅、ヴェネツィアに到着する前に、一足早くヴェネツィアの素晴らしさをご紹介しましょう。アドリア会の真珠の都と呼ばれる水の都、大小合わせて120近い小島からなっています。その中で最も大きい島、ヴェネツィア本島です、サンマルコ広場には何時もおおらかな自由があります。

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栄光と苦難の歴史を繰り返してきたヴェネツィアを翼を持ったライオン像が守っています。

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多くのゴンドラが静かに繋留されているリアルト橋付近、最も賑やかな所です。

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いよいよオリエント急行は終着駅ヴェネツィア・サンタルチア駅へ向かって夕日を浴びたリヴェルタ橋を渡ります。ロンドンを昨日の午前11時10分、定刻に出発して、およそ30時間、全行程1750キロ、6ヵ国を駆け抜けてオリエント急行はサンタルチア駅へ入って行きます。この旅で初めて見る青い海原に浮かぶヴェネツィアの町、潮風が心地よく感じられます。

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夢の様な長い旅が終わってしまう事を惜しむ様にゆっくりゆっくり終着駅サンタルチア駅のホームは入って来るオリエント急行。二日間の短い旅でしたが、しかし何故か夢の中で旅をしていた様に思います。プラットフォームに立つ乗客とスチュワートの間に名残惜しそうに挨拶が交わされます。何時までも此の二日間の旅の記憶が残る事を祈ってスタッフ達も心から有難うを送ります。

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かって王侯貴族が思いをはせた土地、オリエントへ向かう豪華な鉄道の旅、そこには単なる移動手段ではない鉄道の旅ならではの至福の楽しみがあったのです。

19世紀末ベル・エポックの良き時代に誕生し、ヨーロッパを走り続けて来たオリエント急行。鉄道黄金時代を今に伝えつつオリエント急行は人々の夢を乗せてこれからも走り続ける事でしょう。

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正に豪華ホテルに一泊するかの様な豪華な旅、皆が憧れる事も分かります。美しいレストラン・カーの装飾、サービスの精神、車窓からの美しい景色どれをとっても素晴らしいですね。「何時かオリエント急行に乗る」それを夢にしたいと思います。




                                       欧州鉄道の旅・特別編  引用



crystaltakara at 16:33│Comments(0)TrackBack(0)

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