「誇り高きデザイン 鍋島」展宝の撮影会

2010年09月24日

「香水瓶の世界」展

東京都庭園美術館で開催されている「香水瓶の世界」展に行ってきました。

数多くの香水瓶の他に香水のポスター、ラベルなどが展示され、パリ現代装飾美術・産業美術国際博覧会に於ける出展の模様が紹介されていました。

展示はPartⅠ 古代、中世・ルネサンス、PartⅡ 20世紀以降に分けられて展示されていました。

PartⅠ 古代 、中世・ルネサンス

古代社会において香りは宗教的な意味を持ち、神々を崇める為、または怒りを鎮め加護を得るために、古代の人々は軟膏や香油など様々な香りを神々に供え、薫香を焚いた。世俗の生活でも香りは重要な役割を担っており、誕生、結婚の祝い事、死者の弔いなど、人生の節目の儀式に欠かせないものであった。エジプトや古代オリエントでは岩石を研削して香油壺が作られ、ギリシア時代の香料容器は陶器製であった。古代のガラス容器は古代エジプトで現れたコア・グラスの香油瓶であり、フェニキアを経てヘレニズム時代のオリエントで盛んに作られた。ガラスの製造技術が発達し、ローマ帝国下で吹ガラスと成形型が発明されるとガラス容器の大量生産が可能になり、その技術は広く帝国の領土の普及した。これらの先進的ガラス製造技術は、香水の蒸留技術と共に、十字軍の遠征によって、やがてヨーロッパにもたらされることになる。


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アラバスター 初期王朝 エジプト 縞目大理石

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香油瓶 ローマ時代 中東 ガラス

ルネサンス期になると香水芸術は大発展する。ヨーロッパ中で芳香水が流行し、王侯貴族は御用調香師を持つこともあった。蒸留技術が改良され、芳香水は貴族以外の人々にも手の届くものとなった。疫病の流行はヨーロッパを恐怖に陥れたが、古代から続く香りに対する信仰のため、香料の使用はかえって増大した。練香をいれて持ち歩くポマンダーは練香が疫病に対する解毒剤として重視されている事もあり重視された。此の時期、高名な金銀細工師が競って様々なポマンダーを制作している。又、此の時期には後にフランスのガラス製造業に大きな影響を与える事になるイタリアのムラーノ・ガラスがヨーロッパ全土で高い評価を得た。


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ポマンダー  ドイツ

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香油瓶  イギリス

18世紀になると社会習慣の変化、ロココ様式の芸術と自然に対する賛美などが影響し、軽やかな花の香りが流行した。香水瓶の素材は貴金属、ガラスの他に、クリスタル、磁器など多岐にわたり、装飾方法も宝飾細工、金銀細工、七宝など様々であった。特にマイセン、チェルシー、セーヴルなどで作られた陶器製香水瓶は18世紀を象徴するものである。19世紀は産業革命とそれに伴う技術革新により、香水瓶は近代化され大発展する。フランスではゲラン、ブルジュワ、ロジェ・ガレ、ピヴェールなど多数の香水商が誕生し、今日の香水産業の基礎がきずかれた。19世紀には次第にガラス製香水瓶が主流となり、バカラ社、ポシェ・エ・デュ・キュルバル社の様なガラス製造者と香水商が提携することによって、ガラス製香水瓶は洗練され豪華なものになって行く。世紀末になると、アール・ヌーヴォーの影響で技巧的で色彩豊かなガラス瓶が表れた他、宝飾細工師の手により七宝装飾の技術を極めた装飾香水瓶も作られている。


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ネセセール(化粧道具入れ)  イギリス
オレンジ瑪瑙、ルビー、金
とても豪華な化粧道具入れ、とても細かい細工に息を呑む思いがします。

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香水瓶  イギリス、サウス・スタッフォードシャー窯
七宝、黄銅
全面に描かれたロココ調の絵画がとても見事です、絢爛豪華さを与えています。

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香水瓶  フランス
水晶、金、ルビー
水晶で出来た香水瓶、とても素敵ですね。どの様に彫ったのでしょうか?ルビーが豪華さを与えています。

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香水瓶  フランス
透明クルスタル、金、真珠
透明クリスタルを全て覆ってしまっている金細工がとても素晴らしい。当時は貴重であった真珠が優雅さを醸し出しています。

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香水瓶  フランス
金、七宝、真珠
とても七宝の色が美しく、金細工が見事です。

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香水瓶  ボヘミア?
透明クリスタル
ボヘミアングラスは今でも有名ですよね。透明クリスタルに彫られた模様の美しい事、素晴らしいですね。

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アトマイザー  フランス  エミール・ガレ工房
ガラス、金細工
エミール・ガレ工房のアトマイザーを観る事が出来とても感動しました。風景画がとても素晴らしく、魅了されました。

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芳香水瓶  フランス  ドーム工房
緑ガラス、金、黄銀
緑ガラスに描かれた苺がとても美しい。ドーム工房の芳香水瓶を観る事が出来とても幸運に思いました。色合いの美しさに魅了されます。

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香水瓶  ブシュロン社
金、ダイアモンド、七宝
七宝の色が美しく、デザインも素晴らしい。優雅さを感じます。


PartⅡ 20世紀以降

20世紀初頭は芸術の大変革期だった。変革の波は香水産業と香水瓶の製造にも及び、コティとラリックの功績によって質の高い香水が美しいガラス製香水瓶に入れられ、大衆の手に届く価格で販売されるようになった。また、この時代にはポワレによってデザイナー香水制作の道もひらかれた。色彩豊かで斬新なフォルムの芸術が溢れた、ベル・エポックの時代は第一次世界大戦と供に終焉する。第一次大戦後のモードの主流は幾何学模様に移り、香水瓶のデザインも簡素なものになる一方で、既成概念を破壊するシュルレアリスムの運動が起こり、スキャパレリのようにその影響を受けたデザイナーは奇抜なデザインの香水瓶を制作した。第2次大戦後、モードの世界は女性らしい優美さが回帰し、ディオールなどのデザイナー香水が全盛期を迎える。


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香水瓶 (古代の琥珀) ルネ・ラリック作/コティ社
つや消し透明ガラス、茶色パネル
ルネ・ラリックの作品に心惹かれる私は展覧会を観ている間、やはりルネ・ラリックの香水瓶には心惹かれてしまいます。芸術的な描写は本当に素晴らしいと思います。

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香水瓶 (海の女神) ルネ・ラリック
透明ガラス、パチネ
波の上に座る海の女神、とても芸術性を感じます。

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香水瓶 (スイセン) ルネ・ラリック/ロジェ・ガレ社
透明ガラス、、エナメル彩、パチネ
美しい香水瓶箱に入れられた香水瓶はあたかも水仙の花を思わせる清楚な作りです。

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香水瓶 (夜中に) ルネ・ラリック作/ウォルト社
透明ガラス、、パチネ
星が漆黒の夜に浮かぶ様子が想像されます。ガラスの色が本当に美しい。

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香水瓶 (スミレ) ルネ・ラリック作/ガビラ社
透明ガラス、、エナメル彩
束ねられたスミレのブーケ、スミレの濃紫が美しい。

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香水瓶 (スズラン) ルネ・ラリック作
透明ガラス、、パチネ
香水瓶から溢れるスズランの様子がとても美しい。

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香水瓶 (昼と夜) ラリック社
透明クリスタル
とても芸術性の高い香水瓶。とてもロマンをかき立てられます。

ルネ・ラリックの作品に心惹かれる私ですので、どうしてもラリックの作品の紹介が多くなってしまいました。展覧会を回っているとなにげない場所にに展示されているラリックの香水瓶を観ると本当に素敵と心の中で思ってしまいます。今回の展覧会には他にも素晴らしい香水瓶が多く展示されています。とても感動の多い展覧会でした。

http://www.teien-art-museum.ne.jp/index.html


展覧会場を後にして庭園へと進みました。HPに載っていたキミガヨランが見事に咲いていました。

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休日と言う事もあり沢山の人が芝生でくつろいでいました。楓の木も多いとの事ですから、これから紅葉を迎えると違った美しさに出会えそうです。

昼食Cafe 茶酒 kanetanakaに寄りました。

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鳥のそぼろご飯と蟹の甲羅焼きをいただきました。とても美味しかった!!

http://www.kanetanaka.co.jp/




宝にはAmichiで変わった冷凍食品を買いました。

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くまちゃんのホイコーロー、お野菜たっぷりで宝はあっという間に食べてしまいました。美味しそうでした。

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たまには変わった物も食べさせてあげたいですものね。

http://www.amici-dog.com/



crystaltakara at 11:12│Comments(0)TrackBack(0)

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