2009年12月22日
東山魁夷と昭和の日本画展
久し振りに山種美術館に行って来ました。
東山魁夷さんの没後10年という事で今回の展覧会が開かれました。
東山魁夷さんが亡くなってもう十年も経つのですね。月日の流れるのは本当に速いと思いました。
山種美術館の扉を入ると加山又造さんの「千羽鶴」のレリーフが目に入ります。金と黒に描かれた千羽鶴が飛んでいる様はとても感動します。
会場に入ると東山魁夷さんの絵より展示が始まります。
各絵画の横にはその絵を描かれた時の心境がしたためられています。その文章がとても繊細で素晴らしく思えます。
「月出づ」 東山魁夷
山の木々が細やかに描かれた二つの山の上に輝きを放っている月がとても静けさを感じさせてくれます。
「白い嶺」「春来る丘」などが展示された後、「満ち来る潮」が展示されています、とても大作で見ごたえがあります。
その後、昭和の巨匠方の作品が展示されて行きます。
皇居新宮殿杉戸4分の1下絵 「楓」 山口蓬春
緑から紅になって行く色の変化がとても見事に描かれています。
「朝陽桜」 橋本明治
桜の花々があたかも浮き出ている様に描かれています。
「曜」 杉山寧
夕空を飛ぶ鶴でしょうか。背景の色がとても美しく、鶴に気品を感じます。
「松竹梅」より <竹(東風)> 川合玉堂
とても繊細な竹林の中に一羽の鳥がとまっています。
点景がとても暖かく、この方の作品は大好きです。
青梅の玉堂美術館を訪れた事がありますが、とても静けさの中で絵画を鑑賞する事が出来ます。又、訪れてみたいと思います。
川崎小虎、結城素明、横山大観、福田平八郎など有名な方々の絵が展示されていました。
最後の展示室に東山魁夷さんの「京の四季」が展示されていました。
「年暮る」 東山魁夷
やはりこの絵はとても素晴らしい。除夜の鐘の鳴り響く雪降る京都を描いた作品です。一つの窓に明かりが灯る様子にとても暖かみを感じます。まさに今の季節に相応しい作品ですね。展示室の真ん中に展示されていました。両脇に京の四季を描いた作品が展示されていました。
「春静」 東山魁夷
緑の山と桜のコントラストが素晴らしい作品です。静かな山中に咲く可憐な桜を思わせます。
「秋彩」 東山魁夷
静かに佇む山の前に華麗に色づく黄葉、紅葉。その華麗さの中にも山の静けさを感じる作品です。
「年暮る」を最後に鑑賞した後、展示会場を後にしました。
帰りに表参道の方に出ましたが、11年振りに再開されたイルミネーションがとても美しかった。