2011年02月

2011年02月21日

美の壺  香水瓶

美の壺 香水瓶でルネ・ラリックの作品が紹介される事を知り、番組を観ました。

香水瓶 鑑賞の一つ目の壺 「香りと美を封じ込める栓」

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フランス 1830年頃
繊細な金細工がガラス瓶を覆っています。蓋の所にはシャボン玉をふくキューピッドが装飾されています。シャボン玉は真珠で出来ています。

ルネサンス時代の貴婦人を描いた絵画があります。テーブルの上には香水瓶が置かれています。毎日入浴する習慣のなかったヨーロッパでは体臭を隠す香水が発展しました。

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くちばしをすり合う鳩 1955年

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つがいの鳩のかたわらにいる小鳩、此の部分が栓になっています。

古くからヨーロッパに伝わる手法で香水瓶を制作している、コアグラス作家、佐藤透氏は香水瓶作りの要は栓だと言います。
「香水瓶はひっくり返した時に栓が抜けたり、漏れたりしたら意味がないので、しっかりしている必要がある。」

それはかって香水がとても貴重な物であったからです。香水は希少な天然素材を精製して作るものだったからです。たとえば薔薇の香りのローズオイルを作る際、小豆一粒分のローズオイルを作るのに2000本のバラを必要としたとの事です。

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19世紀初めのフランスで作られた香水瓶

瓶は水晶をくり抜いた物に金細工の装飾がなされ、ルビーがあしらわれています。栓は王冠の様なキャップに大切にしまわれています。

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この頃の栓はコルク製です。

19世紀半ばには香水瓶はガラスが主流となります。その理由の一つが栓を持ち上げてもはずれない技術があみだされたからです。

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ボヘミア 1860年頃

受け口にぴったり密着して外れない栓、いったい何故なのでしょうか。

こぼれにくい容器を目指して試行錯誤をしたガラス職人たち、
栓に3°の僅かな傾斜を付けます、そして瓶の受け口に同じ角度を付けるとガラス容器は密封出来る事を発見したのです。

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同じ頃すりの技術も誕生しました。栓に金剛砂と言う砂を付けすりあわせるとすりが入り、密封性が高まります。
貴重な香水をこぼさずに持ち歩く画期的なアイデアでした。

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ボヘミア 1860年頃

傘の様に張り出した栓は持ちやすく、重みによって確りと密着します。
水が流れ落ちる噴水の様ななだらかな造形美を醸し出しています。


香水瓶 鑑賞の二つ目の壺 「香りをアピールする彫刻」

20世紀初頭、合成香料の登場で香水は手軽に手に入る様になり、香水は特徴の無い瓶に詰められ売られる様になりました。中身を示す物はラベルだけでした。

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これでは何のロマンも感じられず、購買意欲も湧きませんね。

そこに一人の天才が現れました。まったく新しい形の香水瓶を作り出すルネ・ラリックでした。香水の売上をさらに伸ばしたいと考えた香水メーカーはルネ・ラリックに注目しました。当時のラリックは上流階級で名高いジュエリー作家でした。

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アザミ  ルネ・ラリック

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カーネーション 1913年  ルネ・ラリック

一輪のカーネーションが浮かび上がり、花の香りを封じ込めたかの様な洒落たデザインです。

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ラリックの代表作  花の中心で 1912年

流れ落ちる滴で表現された花達、栓は蜂の形をしています。

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みづみづしい花の香りが伝わって来るかの様なデザインです。ラリックは本来、形で表すことの難しい香りを巧みに表現しました。

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ナルキス ルネ・ラリック

瓶に香水が入りますと一輪の水仙になります。

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シガリア(セミ) 1924年 ルネ・ラリック

此の頃ヨーロッパで起きていたエジプトブームを取り入れたデサインです。南国を象徴するセミがエキゾチックな香りを印象づけています。

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りんごの花 1919年 ルネ・ラリック

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美しいですね。フランスのデザイナー ピエール・デイナンが「香水瓶とは香りの住む家である」と言ったそうですが、頷けます。


香水瓶 鑑賞の三つ目の壺 「言葉と香りが響き合う場所」

1985年、歴史に残る香水が登場します。成功の大きな要因は名前でした。うれたぶどうの様な個性的な香り、瓶は媚薬が入った壺を思わせる形、この香水に付けられた名前はPoison(毒)

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ヒットする要因はネーミング(名前)、ボトル、香り。それらが微妙に一致した時にヒットする香水が多いのです。

現代の香水瓶を見てみましょう。

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木の女らしさ  ウッディなかおり、樹木の様にも女性の体の様にも見える形。

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緑映  フレッシュな香り、水面に浮かぶカエデ

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私の秘め事  マダム向けの落ち着いた香り

香水メーカー 天田徹さんによると。
「香水の開発と言うのはドラマと同じと思っています。タイトルはネーミング、ボトルは舞台装置であると思います。それを身にまとって登場するのが購入されるお客様一人一人であると思います。」

此の会社の香水「タイフーン」
身に付けた女性が香りで甘い旋風を巻き起こす、その様な意味を持った香水です。

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第二次世界大戦の最中、形と名前があいまって人々の心を掴んだ香水の名前があります。戦場に赴く兵士が恋人に贈った香水です。

Je Reviens  私は戻って来る l932年  ルネ・ラリック

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夜のビルディングをイメージしたデザイン、平和が訪れた時には華やかな街で楽しく過ごそう、そう語り掛けているかの様です。

この香水は戦争が始まる前に作られた5連作の一つです。

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Dans la Nuit 真夜中に 1924年  ルネ・ラリック
満天の星を模した香水瓶、恋人達の甘い囁きが聞こえてきそうです。

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Vers la Jour 夜明け前に 1925年  ルネ・ラリック
朝焼けが空をそめて行きます。

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Sans Adieu さよならは言わない 1929年  ルネ・ラリック

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Vers Toi 君のもとへ 1934年  ルネ・ラリック

五つの香水瓶によるラブレターになる仕掛けです。

真夜中に、夜明け前に、さよならは言わない、私は戻って来る、君ともとへ

言葉と形が響き合い、香りの世界に一そうの奥行きをもたらしました。

此の様にして香水を贈られたらロマンスもいっそう深まりますね、ロマンティックです。


                          美の壺 引用




















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2011年02月19日

ヒヤシンス

はな*いとし*こいしさんに珍しいヒヤシンスが入荷されましたので、買って来ました。

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ヒヤシンス アナスターシア  一つの球根から複数の花が咲いています。香りも通常のヒアシンスと比べると淡い感じがします。ラベンダーカラーの美しい花色。花の形も細くとても清楚で美しい。

先日、リフォームしたプリムラマラコイデスの鉢に寄せ植えしようと思っています。

ヒヤシンスの花言葉は花の色によって変わるのですね。紫は「初恋のひたむきさ」だそうです。



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2011年02月16日

寄せ植えのリフォーム

プリムラマラコイデス メローシャワーを使って寄せ植えのリフォームをしました。メローシャワーの薄紫色は桜草とは思えぬシックな感じがします。

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以前より植えてあったクリスマスパレードは花盛りです。そこに今回のプリムラマラコイデスを植え込みました。又、新しく根元にフォクスリータイムを植え込みました。タイムの香りが漂い、葉色もとても美しい。

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次第に春のお花の寄せ植えが出来上がって来るのはとても嬉しいものです。


我が家のクリスマスローズ達も花を咲かせ始めました。

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純白の八重の美しいクリスマスローズ

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シックな黒色のクリスマスローズ

クリスマスローズの花言葉は「追憶」「私を忘れないで」「慰め」です。恥ずかしそうに下向きに咲くお花・・・そのしたむきさにロマンを感じます。









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2011年02月15日

雪の中の散歩

昨夜は大雪でしたね。しんしんと雪が降り、積もってくると娘が外に出たくてウズウズしていました。結局は宝を連れて散歩と言う事になりました。

直ぐに帰って来ましたが、宝の頭は雪で真白に。どうやら宝は雪は冷たくて嫌いな様です。

帰ってからが大騒ぎ、お風呂に入れてあたためようと言う事になり、娘がお風呂に入れてくれました。

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あまりにも可愛らしいので写真を撮りました。

今日も散歩に出ましたが、雪の残っている所は避けて通っていました。「犬は喜び庭駆け回り」と言う歌の通りにはならない宝でした。





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琳派芸術展

出光美術館で開催されている「酒井抱一生誕250年 琳派芸術ー光悦・宗達から江戸琳派」展に行ってきました。

此の展覧会は2月6日までの「煌く金の世界」と2月11日より3月21日までの「転生する美の世界」との二部の展覧会により構成されています。私は最終日の6日に行きましたので、随分の盛況振りでした。驚いたのは図録が売り切れになってしまっていた事です。

桃山時代が終末する頃、その絢爛たる黄金文化を背景にして、優雅な琳派芸術が京に息吹をあげました。琳派の始祖と仰がれる本阿弥光悦や俵屋宗達らは、王朝時代の装飾美を豊かに翻案し、新時代の幕開けを告げる斬新な造形美を生み出しました。それは後世の京に生まれた尾形光琳や、江戸で活躍した酒井抱一らの新たなる創造を促しました。

第1部の「煌く金の世界」では宗達が手懸けた金銀の煌びやかな装飾による和歌巻、扇面画、さらに大画面の草花金地屏風また琳派絵師たちにとって一つの主要なジャンルであった、水墨画が展示されていました。


一章 美麗の世界

本阿弥光悦と俵屋宗達は、王朝時代の雅な美意識を踏まえながら、それを豊に翻案して、新時代の幕開けを告げる斬新な造形美を生み出しました。宗達の金銀泥下絵に光悦が筆を揮ったゆうびな和歌巻では、各々の闊達な個性が見事に調和をみせています。また金銀のきらびやかな切箔、砂子などが施され、華麗な彩色を用いて描かれた扇面画など、小画面にこめられた美麗の世界が広がります。


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蓮下絵百人一首和歌まき断簡
本阿弥光悦/書  俵屋宗達/下絵

宗達の下絵は、蓮の葉が水面に浮かぶ様子から始まり、蕾が出来、花が開き、やがて枯れていくという蓮の一生をテーマにしています、生命の輪廻転生を予感させる作品となっています。
素晴らしい下絵に書かれた美しい文字。此の様な作品を見ると何時も美しい和紙に仮名文字を美しく書いてみたいと思います。

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梅に柳図扇面 伝 俵屋宗達

いんげん豆図扇面 伝 俵屋宗達

画面の余白部分に墨書で下地装飾の指示が入れられている珍しい作例です。梅に柳図扇面はとても穏やかな感じのする作品でした。


二章 金屏風の競演

京の街で絵屋工房を興した宗達は、次第に大画面の金地屏風を手懸けるようになります。特に寛永年間初期頃より、華麗な草花図屏風を描いています。伝宗達筆「月に秋草図屏風」に示されるように、”天”の月を描きつつも、”地”の具体的な指標となる土坡・岩・水流・遠山などを描かず、抽象的ともいえる”天地未分化”の金空間を草花モチーフのみで構成し、これを豊かな野辺の広がりに変質させています。この金地構成に対する独創的な解釈は、狩野派など同時代の絵師とも明らかに異なる斬新なものといえます。

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草花図屏襖 「伊年」印

芥子の花を中心に野アザミ、ハチク、バラ、モロコシ、葉鶏頭、立葵がえがかれています。芥子がまるでこの襖のクイーンの様に思え、構成が西洋画の様に思いました。一つ一つの花の描写が見事で本物の花を見ているかの様な思いにかられました。

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四季草花図屏風 「伊年」印

六曲一双の中屏風に、六十七種もの草花が描かれています。四季の配列に従って、右隻から左隻へ向かって春から冬の草花が描かれています。一つ一つの草花を観ていくのがとても楽しみな作品です。此の屏風は江戸時代に描かれたものです。遠く江戸の時代より現代まで命を繋いでいる花々の歴史をみる思いがします。

三章 光琳の絵画

京の高級呉服商・雁金屋に生まれた尾形光琳は、琳派絵師の中でも一際鋭いデザイン感覚を持っています。光琳が活躍した元禄ー正徳年間は、宗達が歿した寛永末期頃からほぼ半世紀が経ち、宗達は既に伝説的な存在になりつつありましたが、光琳は宗達画、あるいは宗達派(俵屋工房)の草花図や、同時代の諸派に学んで独自の絵画を探究しました。そんな光琳絵画の魅力は、主題の意味、背景への深い洞察の上に、大胆で揺るぎない構図を用いて、緊張感ある世界を構築したところにあります。

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紅白梅図屏風 伝 尾形光琳

左隻には、前後に立ち並ぶ紅白の梅樹が、複雑に枝を絡めるようにえがかれています。右隻には、右端上部より軽やかに垂下する白梅の細枝が描かれ、樹幹は一部のみ描写されています。
左隻の華やかさと対照的な右隻の詫びた感じがとても魅力的で、奥深い世界を感じさせます。


四章 琳派の水墨画

琳派絵師たちは、水墨画を一つの主要な制作ジャンルと捉え、この分野に腕を揮っています。宗達の水墨画には、モチーフの質感や量感を表現することを意識した高度な墨技があり、光琳には京の上層町衆の知的サロンが好む軽妙な戯墨のユーモアがり、抱一は淡い墨色を通して、みずみずしい草花の姿をたおやかな風趣で表しています。琳派の各絵師たちの水墨画の粋。琳派本来の極彩色の世界とは一見異なる世界のようですが、絵師たちの表現力は、豊かな墨色を通してさまざまな色彩を思い起こさせてくれます。

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龍虎図 伝 俵屋宗達

右幅には画面下部からぬっと顔を出す龍、左幅には画面上部から龍を見下ろす虎の姿が描かれています。聖獣であるはずの龍と虎が、親しみやすい人間味に溢れる表情で描かれている所にとても心ひかれまして。
可愛らしささえ感じます。

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白蓮図 酒井抱一

淡い墨色で描かれた白蓮がとても崇高な美しさを感じます。酒井抱一の作品にはとても優しさを感じられ、心惹かれます。
第二部では多くの作品が展示されるそうなのでとても楽しみです。


琳派の工芸

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赤楽兎文香合 本阿弥光悦

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銹絵染付金銀白彩松波文蓋物 尾形乾山

今回の展覧会で尾形乾山の作品が展示される事をとても楽しみにしていました。モダーンな色合いの中になんとも言えぬ温もりを感じます。

外側は、無釉の素地の上に金、銀、染付、白彩を重ねて、風に揺られる松林が描かれており、白化粧をほどこした内側には、染付と金彩で、打ち寄せる波を描いてあります。
外側、内側の両面で広大に広がる海辺の景色が連想されます。

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色絵芦雁文透彫反鉢 尾形乾山

夕映えに染まる雁の群れを金彩であらわし、水辺にたなびく霞を銹絵で描き添え、口縁には霞肩の透かしを入れています。
水辺に舞い踊る雁の群れを実際にみているかの様な思いに捕らわれる様な思いがします。

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色絵龍田かわ文透彫反鉢 尾形乾山

急流の波に翻弄される紅葉の、水に濡れて照り映える色合いが、鮮やかな赤、緑と、葉脈に入れた金彩によってあらわされている。
荒々しい流れに紅葉が浮き沈みする様を目のあたりにするかの様な迫力を感じます。
尾形乾山の作品は器の世界にかかわらず、あたかも大きな風景を見ているかの様な思いがします、此の事がきっと惹きつける魅力となっているのですね。

琳派芸術の華麗さ、そして心落ち着く侘びの世界を堪能する展覧会でした。

http://www.idemitsu.co.jp/museum/














crystaltakara at 14:29|PermalinkComments(0)TrackBack(0)